今回は、足の左右差のため、靴選びに困っている方、必見!
左右で足の大きさが違う 時の対策方法をお伝えします。
目次
意外と多い?左右で足のサイズが違う人
お仕事では必須という方も多い、パンプス。
キレイに履きこなしたいですね。
ただ自分に合う靴を選んで、購入したつもりが、いざ履いてみると、
「どの靴を履いても、右足がいつも緩い」
「左だけ、いつも靴ずれする」
「右足に合わせると、左足が入らない」
こうした左右差問題でご相談にみえる方が、たくさんいらっしゃいます。
なにかの病気なんじゃないか?と不安になる方もいらっしゃいます。
いつもお話しするのは、
「顔と同じで、左右対称なんて、そうそうありません。
800人に1人と言われています。
足の大きさが違うのは、自然なことなのです。」
そして、
「オーダーメイドの靴で左右差を解消するだけでは、快適に歩けないと思います」
と結論からお伝えします。
見るべきは、靴だけではないからです。
そして、中長期的な視点・心構えが必要です。
今回は、足の左右差にお悩みの皆さまに、
- ・靴で感じる左右差に対して、どう対応すればいいのか
- ・足の左右差が起こる原因は?なくす方法はないのか
- ・本当に「足」の左右差だけなのか
こうした視点で、順を追ってご紹介します。
動画でもお話ししていますので、ぜひご覧ください。
左右で足の大きさが違う人たちの靴事情
左右で足のサイズ、太さが違う方が多い、というのは先に述べたとおりです。
でもこの左右差トラブル、外反母趾やタコとは違い、足トラブル、と呼ぶほどの大きな問題ではないため、放置されたままということも多いのです。
トラブルではないのだけど、ジワジワと地味に大変。
それが、足の左右差問題です。
あまり大きな問題として捉えられていないのが実情です。
ただ、靴の大きさは左右同じです。
だから、靴をそのままにしておけば、歩きづらいことこの上ありません。
左右差を埋めないということは、いつも歩くたび、どちらかの足が犠牲になっている、ということなのです。
それでは当店に寄せられた、足の左右差による靴問題を少しご紹介していきましょう。
事例①「どの靴を履いても、右足がいつもゆるい」
右足が小さいのでしょう。
右足だけ薄い中敷を1枚入れてあげると落ち着くと思います。
事例②「左だけ、いつも靴ずれする」
これは、2パターンあります。
左足が小さいから、靴の中で動いて靴ずれするパターン。
そして、左足が大きいから、靴の中でパンパンで、踵に靴ずれが起こるパターン。
見極めるには、まず、お足の採寸とウォーキングチェックをしましょう。
数字と歩行を見れば、原因はすぐに見えてきます。
事例③「右足に合わせると、左足が入らない」
これも右足が小さいのでしょう。
市販靴なら、大きな左足に合わせて、右足に中敷1枚入れる方法がよいでしょう。
オーダー靴ならその逆です。
どちらかを犠牲にすることになりますから、事例①に戻って、ゆるい方に中敷を1枚入れてあげてください。
足の大きさに左右差が生まれる原因
それでは、この足の左右差。
どうして生まれるのでしょうか?
その背景には、足の骨格そのものだけでなく、日々の過ごし方、もっと言えば、足の動かし方、体の動かし方が大きく関係しています。
これも、足を見たその時だけ見ていては、見えてくるものではありません。
なぜなら、歩かないとそのクセは見えてこないからです。
原因1:生まれ持った骨格の左右差
生まれながらの骨格に左右差があれば、これは仕方がありません。
一生うまくつき合って行く、と前向きにあきらめたほうがいいでしょう。
実際は、骨格による左右差、それほど多くないのが現実です。
数%、肌感覚としては5%もいらっしゃらないのではないかと思います。
原因2:感覚の左右差
手に利き手があるように、足にも利き足があります。
そして、無意識に利き足をよ~く、よ~く、使っています。
すると、利き足のほうが感覚が研ぎ澄まされているということも多いのです。
右利きの人が、左手でうまくボールを投げられないように。
右利きの人が、左手でうまくお箸を使えないように。
だから、左右とも同じ計測数値なのに、感じ方が違う
こうしたことも往々にして起こるのです。
利き足でない足を、遊び足と呼びます。
利き足はいつもがんばって歩いてくれますが、遊び足は使えていません^^;
ですから、この遊び足に意識を向けるトレーニングをしてあげたほうがよい場合も多いのです。
遊びすぎている足は、感覚だけでなく、物理的に見ても筋肉量が少ないからです。
原因3:足の使い方による左右差
遊び足は、感覚が鈍いだけでなく、筋肉量が少ない
これは利き足をよく使い、遊び足をあまり使っていないからです。
使う筋肉はよく育ち、使わない筋肉は落ちる
人間には、この人体の大原則が働いています。
怖いのはこれを無意識 で行っていることです。
知らないうちに、左右の足の使い方が違っていて、知らないうちに、左右の足につく筋肉が違ってくるということなのです。
これが足に左右差が生まれる、もっとも大きな原因と言っていいと思います。
足の左右差は、筋肉量の左右差
ということです。
足の大きさの左右差はなおせる?
骨格に左右差がある場合は、難しいでしょう。
そして感覚の左右差も、なかなか揃いませんね。
常に利き手でモノをつかんでしまうという理屈と、同じです。
でも、足の左右差の原因が筋肉量の差である場合は、靴と歩行の左右差を解消してあげることで、左右が整っていき、足の左右差が改善される可能性が高いです。
同じく動かせれば、同じく筋肉が育っていくからです。
だから当店は、靴だけでは終わりません。
足を見て、インソールを作って、歩行レッスンまで行うのです。
靴の左右差を解消することはあたりまえ。
足の使い方、動かし方を見て、左右を揃えていく必要があるからです。
左右差が大きい人はオーダーメイドも検討
左足が大きい場合、市販の靴なら、左足に合わせた大きい靴を選びましょう。
そして右足には、中敷を1枚入れてあげます。
厚みは中敷を入れて、歩いて、を繰り返して、心地よい履き感をつかんでください。
中敷を入れてあげなければ、右足は常に緩い状態になり、遊び足になっていきます。
一方、オーダーメイドなら、逆に、右足に合わせた小さい木型を選びます。
そして、左の木型には、ワイズを太くする木型補整、木型調整をいれてあげます。
左右差が埋まらないお足なら、やはりオーダーメイドで左右違う木型で作れれば快適に履ける靴になってくれるでしょう。
ただ、それに慣れたら、もう市販品には戻れません。
感覚は今の快適さを求めるため、そのギャップに耐えられないからです。
当店も木型違いでオーダーメイドの靴をお仕立てできますが、木型の補整レベルに止めておいて差し上げるのがいいかな、と思っています。
市販でも、左右違うサイズの靴を片足ずつ買える靴もあるようですが、同じ理由でおすすめはできません。
こうしたデメリットもしっかり理解いただきたいのです。
やはり、左右の足を同じく動かせていくことは、将来を見ても、よいことしかありません。
足の使い方の左右差を埋めて、筋肉量を埋めて、足の左右差を埋めていくように、体を整えていくのが、大切な最初のステップと言えます。
まとめ
足に左右差があっても、オーダーメイドの靴で左右差を解消するだけでは根本の解決にならないことをおわかりいただけたでしょうか。
まずは、足環境としての靴の左右差を埋めてあげる。
そして、足の動かし方、使い方の左右差を解消する。
さらに、足の筋肉の育ち方を確認する。
その上での、オーダーメイドの靴をおすすめします。
早い方で1ヶ月、遅くとも3ヶ月ほどで、足は驚くほど変化をしますよ。
最初に作ったパンプスは履けなくなってしまいます。
やはりスニーカー、紐靴からスタートするのが理想です。
短期的でなく、中長期的な視点で捉えましょう。
もし左右の足の大きさが揃えば、市販の靴も苦もなく履ける可能性もあるのです。
そして、左右の脚がともにきちんと動かせていれば、確実に健康を維持しやすいでしょう。