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靴のアウトソールの役割と素材のメリット・デメリット

こんにちは。歩きやすい靴のオーダーメイドから始める体づくり、小野崎です。

当社は靴のメーカーであるとともに、靴の本底を作るパーツメーカーでもあります。

本底とは、ソールアウトソールと呼ばれています。
いわゆる、靴底、のこと。

写真は登山靴のアウトソール。
滑りにくそうですよね。

こうゆう靴のパーツから作っていますから、デザインは無限大なのです^^

でも、靴の底って、普段あまり意識しませんよね?

そこで今回は、靴底の役割や選び方をご紹介します。

アンド・ステディのスニーカーは、アッパー素材に本革を使っています。
そのため、スニーカーと言っても、実質レザーシューズ

足にフィットしやすく、馴染みやすい。
履いて歩くだけでオートマチックに足を整えてくれるくつトレ®スニーカー。
グリップの効いたアウトソールはすべりにくく、抜群に歩きやすいですよ!

スニーカー選びにお悩みなら、ぜひご覧になってくださいね。

アウトソールの役割

本底、ソール、アウトソール・・・

いろいろいな呼び方がありますが、ここではアウトソールで統一しますね。

アウトソールとは、靴が地面に直接触れる部分。
靴の底の部分、本底とも呼びます。

靴自体が、体の安定性を担保するツールです。
そしてその中でもアウトソールは地面と触れ合う部分。

強いグリップ性柔軟性両立する必要がある、難しくて、重要なパーツなのです。

アウトソール素材の特徴

普段はなかなか目に触れない靴のパーツですが、素材も加工もあまたあります。

今回は素材に絞って、特徴、メリット・デメリットを、ご紹介していきます。

まず、アウトソールの素材は大きく分けて、3種類あります。

・革
・天然ゴム
・合成ゴム

主なものはこの3つ。

靴についているアウトソールの素材によって特徴があります。

革底

革で作った革底は、とても高級感があり、エレガンスに仕上がります。

レディースでは高級パンプス、そして、紳士靴に多く使用されています。

日本は湿気が多く、石畳ではないのですべりやすい。
そのため、実は革底との相性がよくない、と言われています。

前足部に滑り止めのゴムを貼ることもあります。

天然ゴム・本クレープ

天然ゴムは、本クレープとも呼ばれます。
とてもカジュアルに合う素材です。

ブーツ、ワラビー、スニーカーなど。
オフィシャルではあまり履かない、カジュアルな靴に使用されます。

とても貴重で高価な素材です。

そのため、現在は天然ゴムに似せた合成ゴムで代用されることも多いです。

合成ゴム

合成ゴムは、メンテナンスが簡単で、日常使いをしやすいです。

現在流通している靴は、ほとんど合成ゴム素材と考えてもいいと思います。
どんな靴ともケンカしない、無難で便利な素材です。

婦人靴、紳士靴どちらにも多く使用されています。

アウトソール素材のメリット・デメリット

次に、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

革底のメリット

見た目がよく、高級感が溢れます。

本物の革ですから、通気性も抜群。
靴を1日中履いていても、蒸れにくいと言えます。

革なので、アッパー(甲革)と共に、足に馴染みます。

こうなると愛着が出てきたりもします。

革底のデメリット

とにかく、滑ります。

駅のホーム、タイル、マンホールなどで、滑った経験があるかもしれません。

そして、水に弱いです。

水染み、雨染みが出来てしまいます。
雨の日などは履くのを避けていた方がいいでしょう。

そして、メンテナンスも手がかかります。

やり方は色々ありますが、上手にやらないとカビなども生えてしまうこともあります。

革という生き物に起こる、全般的なデメリットです。

さらに、すり減りが早いです。

天然ではない合成ゴムと比較すると、仕方がない側面もありますね。

歩いている時のカツカツ音がうるさい。

そう感じる方もいらっしゃるかもしれません。
逆に、革底を履いている感があって、好きな方もいらっしゃるでしょう。

結構たくさんのデメリットを上げてしまいました・・・。

しかしそれを補ってあまりある、本底としてのTHE本物感
そしてフォーマルさはやはり、革底ならではでしょう。

天然ゴム・本クレープのメリット

クッション性があります。

だから、足当たりが良くて、履き心地もよいです。

天然ゴム・本クレープのデメリット

汚れやすいです。

本クレープ素材はとても粘り気のある素材ですから、ゴミを拾いやすいのです。

そして、硬くなる=硬化します。

はじめはとても柔らかいのですが、半年ほどで硬化していきます。

さらに、熱に弱いです。

熱いアスファルトの上を歩くと溶けてしまいます。
歩くうちにペタペタしてしまうのは、本クレープが溶けている状態です。

最近の日本の気候を鑑みると、本クレープは適切な素材ではないと思います。

でもやはり、天然の素材感ゆえ、根強いファンもいるのです。

合成ゴムのメリット

天然素材と比較すると、グリップ力が強く滑りづらい。
雨に強い。
そして耐久性もあります。

基本は、天然素材のデメリットをカバーする為に作られた素材たちです。

お手入れも簡単、汚れにくい、熱にも溶けない。

だから、靴底の素材として、選ばれるのです。

合成ゴムのデメリット

天然ではない、本物ではない、ということです。

革底の高級感、本クレープのカジュアル感には叶いません。

アウトソール選びのポイント

アウトソールの素材ごとのメリット・デメリットをご紹介しました。

こうした事実を踏まえ、靴の履き替えを実践しましょう。

アウトソールによって靴を履き分けることで、靴が長持ちします。
靴に負担をかけすぎないことが大事です。

  1. 雨の日は革底を履かない、合成ゴム底の靴を履く
  2. 暑い日は本クレープ底を履かない、合成ゴム底の靴を履く
  3. 長時間歩く日はクッション性のよいクレープ底か合成ゴム底を履く

例えば登山靴は、たくさん歩くためのアウトソール設計になっています。

合成ゴムを厚くカットし、衝撃分散を折り込んだデザインです。

アウトソールのデザインも目的によって様々ですから、ぜひ注目してみてください。

「どうしても革底の靴を履きたいけど、滑るのが怖い」

そういうことなら、修理屋さんに行きましょう。
履く前にまず、前足部に滑り止めを貼ってもらうことをおすすめします。

滑り止めと言われるものはほぼ100%、合成ゴムです。

靴にこだわりがある人は、この行為を邪道と言うかもしれません。
でも、滑って怪我をしたら元も子もないのです。

また、雪の降るエリアでは、より雪に強い素材への張替メニューもあるようです。

アウトソールのカスタムは、靴修理店さんに相談するのが一番です。

アウトソールはメリット・デメリットで選ぼう

アウトソールの世界、いかがでしたか?

靴は、まずはデザインで選ぶのが普通だと思います。
ですが、ぜひもう1歩進んで、アウトソールの素材をチェックする事をおすすめしたいです。

TPOによって、アウトソールも異なります。

そして実は各社いろいろな工夫、オリジナリティがあり面白いです。

靴選びがもっと楽しくなりますよ!

靴の修理でソールだけ取り換えても、違う印象になって面白いですね。

安心して、足を支え、体を支えてくれる靴、そして、アウトソール。

素材選びから、加工方法から、こだわりが詰まった当社のアウトソールを使って、アンド・ステディのオーダーメイド靴は作られています。

アンド・ステディ代表小野崎記子

執筆者:小野崎記子

くつ・あし・あるく研究所アンド・ステディ 代表
株式会社オノザキ・有限会社アクスト 代表取締役

大学卒業後、経営コンサルティング会社勤務。

2005年4月、浅草の靴メーカー代表に就任。カウンセリング重視のオーダーメイドシューズサロンが足トラブルに悩む女性たちから大きな支持を得て、東京、梅田、天神の3直営店を運営中。着物スニーカーを企画・開発、東京都の支援事業として2020年、海外進出を果たす。

商品・サービス開発・WEB集客・人材採用のコンサルティングを手掛ける傍ら、YouTube・InstagramなどのSNS発信、講演、雑誌の執筆も意欲的に行い、活動の幅を広げ続けている。

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