これはちょっと上級編です。
靴のプロが、靴の良し悪しを判断をする際、チェックするポイントが2つあります。
それは、
・ヒールカウンターが硬いこと
・シャンクが硬いこと
これは、靴の構造上、必ずチェックしてほしい部分です。
でも、知っている人はとても少ないです。
そして、外から見えない部分のお話。
だから、安物を使われていてもわかりにくいのです。
良い靴の条件３ 硬いヒールカウンターとシャンク
良い靴の条件４ 足の前すべりを防ぐ素材の中敷を使うこと
良い靴の条件、硬いところは硬く、柔らかいところは柔らかく
ヒールカウンター
かかとのカーブラインの内側に入っている硬い素材のことです。
靴メーカーによって違いますが、硬い革を重ねて、スライスしたものが主流。
プラスチックが入っているものもあります。
脚をまっすぐ立たせてくれるヒールカウンターは硬いです。
ちょっと手で押してみて、かかとがフニャフニャするような靴はNG。
最近のバレエシューズは、ヒールカウンター抜きが多いですね。
某有名どころも、NOカウンターでした。
カウンターのない靴は、靴のサポート力がありません。
だから、自分の力だけで立たなくてはいけない。
筋肉の少ない女性にとっては、しんどいです・・・
カウンターなしの靴は、モデル並みの筋力がなくては履きこなせない代物なのです。
そして、足や歩行の弱点がそのまま出てしまいます。
だから、O脚の人はよりO脚に、外反足の人はより外反足が進みます。
だから、おろしたての靴は、踵が硬くて当然、もしかしたら痛いかもしれません。
でも、それがよい靴。
それがカウンターの役割なのです。
よい靴は、買った翌日からなんて、履けません。
翌日から履けてしまう靴は、「緩い靴」の可能性が大なのです。
慣らして、慣らして、３週間後くらいのデビュー計画で進めていただきます。
硬い靴を「慣らし履き」して、自分の足の形を覚えさせるステップが大切です。
「カウンターの修理はできますか？」
たまにお問い合わせいただきます。
修理が不可能とは言いませんが、なかなかの大手術になってしまうため、修理費用がかなりかかるとみたほうがいいと思います。
カウンターを補強する芯材を追加する方法になると思います。
そうならないためにも、優しく靴を脱ぎ履きしてあげてください。
靴べらを使わないと、靴の踵を踏むことが増えるので、カウンターが折れやすいのです。
女性はこのパターン、とても多いです。
シャンク
足の土踏まず部分の下に入っている金属の板のことです。
中底という靴の背骨に、貼りこまれています。
「金属が入ってるの？」
と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、よく考えてみてください。
土踏まずの下には空洞がありますよね。
靴は、全体重を支えています。
鉄くらいの強度がないと、足を浮かせて、空中に保てないです。
逆に、それが靴におけるシャンクの役割です。
ですから、ちゃんとした靴のシャンクはとても硬いです。
靴の構造上、ここがしっかりしていないと、歩くたびに足が曲がります。
ゆがみます。
これも、足・歩行の弱点の方向に傾いてしまいますから、とても恐ろしいことです。
良い靴の条件まとめ
良い靴の条件、これまで3つ紹介してきましたが、 それもこれも、
足の機能（立つ・歩く）のために必要なサポート
のための要素となります。それはつまり、
構造的に、足の弱さを補ってくれる靴
こそ、現代人に必要な靴の要件、ということです。
私たちの足は、想像以上に弱っています。
良い靴とは、柔らかいところは柔らかく、硬いところは硬いもの。
・足の変化に従って変化しなくてはならない、柔らかい甲革部分
・足の変化とは無関係に重力に逆らうために、がっちりと硬い底材部分
これが両立した、メリハリが効いた靴こそが、良い靴の条件と呼べるのです。
他にも色々と条件があるのですが、 まずはこの3つを押さえること。
そうすれば、構造的に足を悪くする靴 を選ばなくて済むと思います。
フットカウンセリングでは、靴を１～３足、お持込いただいています。
歩き方のクセをみることが一番の目的ですが、靴の構造もチェックしています。
アンド・ステディの靴はもちろん、条件をすべてクリアした、硬い靴、です。
