今年に入ってから、整形外科の靴外来に靴を納めるようになりました。
義肢装具的な靴づくりもスタート。
伴って、ご年配の患者さんのご紹介をいただくことが多くなりました。
拝見すると、やはり若い方たちとは少しずつ、少しずつ違いますね。
改めて、高齢者が選んだ方がよいだろう靴について考察します。
目次
高齢者の歩行の特徴と危険性
最近では、実年齢よりも見た目年齢が若いという方も増えていますね。
それでも、年齢を重ねていく中で確実に体には変化が起こっているものです。
その変化というのは結果として、わかりやすく、歩行に出てきます。
そして、その変化によって危険性が増すこともあるのです。
特に、高齢者と呼ばれる年齢にであれば、歩行についてより強く意識するようにしたいものですし、周りの方も高齢者の方の歩行を気にかけてほしいものです。
転んで、大腿骨を骨折して、寝たきりになるというケースも多いのです。
そのためにも、まずは高齢者の歩行の特徴というものを理解しておきましょう。
高齢者の歩行の特徴というと、「歩くのがゆっくりになる」くらいのイメージを持っている方もいるかもしれません。
確かにそれも、ひとつの特徴ではあります。
ただ、それだけではありません。例えば、以下のようなものです。
- ・歩くときの両足の幅が大きくなる
- ・歩いているとき、足が地面についている時間が多くなる
- ・歩いているときに体が左右に揺れるようになる
- ・一歩で進む距離が小さくなる
- ・一定時間での歩数が少なくなる
- ・股関節やひざ関節、足関節の運動範囲が狭くなる
簡単に言ってしまうと、正しい歩き方を実践できなくなってくるのです。
正しい歩き方というのは健康の土台、人生100年時代の基本です。
こうした高齢者の歩行の特徴が出てくると、危険を伴うようになります。
一般的にもよく知られている転倒のリスクも高まりますし、それによって周りの方も怪我をしてしまうという可能性も出てきます。
もちろん、いろいろな疾患のリスクも高まります。
姿勢が悪くなって、内臓に負担がかかって、関節が動かせなくなって……
そう考えていくと、その危険性というのは思っている以上に大きいものなのです。
高齢者の靴を選ぶときのポイント
若い世代の靴選びと、基本、大きくは変わりません。
ただ、年齢を重ねて生まれた弱点を補うために、という視点に切り替わります。
ポイント1:つま先がやや上に反っている靴
年齢を重ねると、すり足気味になります。
股関節の稼動域が小さくなり、足が上がりにくくなるためです。
そのため、靴底が真っすぐなものだと躓きやすいのです。
つま先がやや上に反っている靴を選べば、それだけで躓き防止になります。
ポイント2:踵がしっかりしている靴
靴の踵はカウンターと呼ばれ、踵だけでなく、足首をも支えてくれます。
筋力の衰えを靴がサポートするイメージです。
踵や足首が支えられるようになれば、歩きやすい靴となります。
正しい歩き方に導いてくれるでしょう。
ポイント3:調整がきく靴
これは年代に関わらず、ですが、やはり紐靴がベスト。
靴をきちんと調整すれば、足の骨格をサポートし、歩きやすい靴となります。
1足は持っておきたいオーダーメイドシューズ
もちろん、市販品でも足に合う靴が探せればOK。
紐をきちんと締めたり、解いたり、正しい履き方をしていればOK。
でも当店でおすすめするのは、ご来店いただいての靴のオーダーメイド。
なぜなら、靴は履く薬だからです。
身長や体重も違えば、足の形だって異なります。
自分の足に合う木型で、フィットする靴を作れるのがオーダーメイドの魅力です。
しかも、好きなレザーで、好きにデザインができます。
そして、靴は買って終了、ではありませんね。
靴の慣らし方、正しい履き方を知らなくては、効果がありません。
加えて、正しい歩き方もきちんと理解し、実践したほうがいいでしょう。
ここまできちんとやったら、靴は履く薬となってくれます。
私たちがおすすめするのは、ここまでトータルで学び、実践いただくこと。
靴のオーダー ~ 歩き方指導まで行う「オーダーシューズ」をおすすめしています。
本当のオーダーシューズは、日々の生活をより快適にしてくれるはずです。
高齢者におすすめのラインナップ
やはり日々履くのは、スニーカーがいいでしょう。
紐で調整も効きますし、たっぷりした革が足をサポートしてくれるからです。
当店のスニーカーは、つま先がしっかり上がった設計になっています。
デザイン1:スニーカー黒ニット
黒は、オールシーズン活躍してくれます。
重たくなりがちな黒ですが、メッシュで軽い印象に仕上がります。
デザイン2:スニーカーBZニット
ブロンズは何でも合う便利色です。
茶系のお洋服が多い方に人気です。
こちらもオールシーズン活躍してくれるでしょう。
デザイン3:スニーカーNVミリタリー
ネイビーに踵の白を効かせた、オシャレスニーカーに仕上がっています。
踵だけ色を変えるのは、人気のカスタムデザインです。
見た目にも軽やかな足もとを演出してくれるでしょう。
まとめ
年齢を重ねれば、歩き方が変化するのは、自然なこと。
だからこそ、高齢者の歩き方の特徴を考えた上で、靴選びを行うこと。
年齢を重ねて生まれる弱点を、靴は補ってくれるからです。
靴は、履く薬です。
ただ、70歳を超えても、5cmヒールパンプスを履くお客さまもいらっしゃいますよ。
自分の体ときちんと向き合っていらっしゃる方が多いです。
そして、足にも、体にも、しっかりと筋肉があります。
ハレの日にパンプスを履くためにも、日々はスニーカーで足を鍛えましょう。
踵をトントンして、紐をきちんと締めて、足指をしっかり使って歩く
これは年代に関係ない、基本の作法です。
快適な毎日のために、オーダーメイドシューズ体験をおすすめします。