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同じブランド、同じデザインでも、木型が違えば別の靴

こんにちは!歩きやすい靴のオーダーメイドから始める体づくり、小野崎です。

デザインは同じでも、木型が違えば、違う靴。
ブランドより、デザインより、木型が大事。

そんなお話です。

足に合うデザインの靴、2足目なのにどうして合わない?

お客さまからいただいたメール

先日、50代のお客さまからお問い合わせをいただきました。
かなりの長文メール、熱がはいっていらっしゃいます・・・

「自分はあるブランドの靴がピッタリだった。

とにかく足にフィットするから、もう何年も大事に、大事に履いている。

最近、同じブランドで同じデザインの靴をみつけたから購入した!

喜んで履いてみたら、足に合わない。

店員に聞いたら、「午後だから足が大きくなってるだけ」と言う。
買ってみて、翌朝履いてみた。 やはり合わない。

おかしいと思って、自分の持っている靴と新しい靴の底を合わせてみた。

なんと! 新しい靴の幅が7ミリも小さいではないか?!

これでは合うはずもないでしょう?!

メーカーに問い合わせても、そんなことないと言う。
事情を説明したら、上の人が出てきて、ようやく理解してくれた。」

というような内容。
私も初めて聞くお話でした。

売れるデザインを、時代に合わせた木型に載せるのが、靴

これは、おそらく、

時代に流れに従い、木型を細くして、売れたデザインを載せた

ということなのだと思います。

足が甲薄甲低幅狭になってきたことをメーカーが察知したのだと、納得。
そして、ある意味、誠実。

でも、残念なのは、売り手がそれを理解していないこと。
さらに、メーカーの人間でもわかってない人がいること。

もったいないですね。

木型はブランドではなく、靴メーカーの特徴が現れる

さらに言えば、このブランドだから足に合うのではありません。

このブランドの靴を作る、その靴メーカーの木型だから、が正解。

大きなブランドの靴小売店なら、複数の靴メーカーが分担して靴を作ります。

靴卸・小売店のお仕事は靴を企画して、靴メーカーに生産を依頼すること。
実際に靴を作るのは、当社のような浅草や神戸の靴メーカーなのです。

そして、木型は靴メーカーの持ち物です。

同じブランドでも、違う靴メーカーが作るので、履き心地は異なります。
靴メーカーの特徴が出ますから。

同じ靴メーカーでも、違う木型を使えば、今回のケースになりますね。

お気に入りの靴はブランドではなく、品番を把握すること

私の足に合うのは、「このブランド」ではなく、「この靴メーカーの木型」です。

つまり、足に合う靴があったら、ブランドではなく、品番を把握することが大事。

靴の内側、裏革と呼びますが何か番号が印字されていませんか?

これが、「靴の品番」です。
(デザイン的に印字していないものも多数あるので注意)

例えば「AK6801」というような品番が印字してあります。
これは、「アクストの6000番代の木型のデザイン1」というような意味です。

靴メーカーごと、デザインごとに、数字を変えて管理されていますから、

「この品番と同じ木型の靴、ありませんか?」

と、お店の人に聞いてみてくださいね。

足に合うデザインを手に入れるために必要なこと

知っておいていただきたいことは、

・同じブランドでも、違う靴メーカーでつくっているかもしれません
・同じデザインでも、違う木型でつくっているかもしれません

ということです。

ブランドではなく、靴の品番を押さえておきましょう。

またもっと細かく言えば、革の種類によっても、足入れは変わってきます。

最後は、自分の感覚を信じて、靴を買うことが大事。

だから、自分の足に合う靴を体感しておくことが、とても大切なのです。
自分の足を守るために。

まずは、足に合う靴の体感を得て、足の感覚を育てるところからはじめることをおすすめします。