よくいただくご質問があります。
「足にとってよいのは重い靴でしょうか?軽い靴でしょうか?」
メリットがある方を選びたいですよね。
先日、21.5cmの靴をオーダーメイドいただきました。
足が小さく、なかなか合う靴が見つからないとお悩みのFさまのオーダーでした。
足にとっていいのは、重い靴?軽い靴?
重い靴も、足に合えば軽く感じる
靴を履いたとたん、
「軽い~!こんなに軽い靴、初めてです!」
という驚きの声が!
いえいえ、当店の靴、「重め」のお創りになってます。
しっかりした素材を使っています。
そして、太くて、幅のあるヒールを使っています。
だからピンヒールの靴よりは、確実に重いのです。
それでもお客さまは「軽い」とおっしゃった。
ここに靴の構造とフィッティングの妙、が隠されているのです。
軽い靴は、実は、足によくない靴
今は、「軽くて」、「柔らかくて」、「楽」な靴がいい、という風潮がありますね。
例えばバレエシューズのような。
でも、それが「足を疲れさせている」ということが本当に多いです。
「靴が脱げないように歩く」
「靴を持ち上げながら歩く」
「靴を引っかけながら歩く」
そうしたお客さまたちをたくさん見てきました。
これでは、足だけでなく、体がおかしくなって当然です。
体の土台である足が、支えられていないわけですから。
本来の靴の役割
そもそも、靴は本来、全体重を支える足の相棒。
生半可な道具では使い物にならないのです。
さらに、現代人である私たちの足は弱点だらけ。
その弱点を補ってくれる靴を履かなくては、正しい歩行が叶うはずもないのです。
よい靴とは、硬いところは硬く、柔らかいところは柔らかく」つくられています。
「軽くて」、「柔らかくて」、「楽」な靴は、靴というよりも、スリッパに近いです。
足を支えてくれる強度がないですから。
靴に強度を求めれば、そこそこの重さになる、ということです。
足に合う靴は軽く感じる
そこで冒頭のお客さまのお声。
「軽い~!こんなに軽い靴、初めてです!」
フィッティングの妙と申し上げたのは、
足に合う靴って、軽く感じるもの
だからなのです。
当店の重めの靴でも、軽く「感じた」ということ。
本当に足に合う靴は、重心を整えてくれます。
姿勢を整えてくれます。
結果、歩き方も正しい形に導いてくれるのです。
もちろん、お人によって感じ方や表現方法は異なりますよ!
・グラグラせず、まっすぐ歩ける
・脚がすっと前に出やすい
・しっかり足指を使えている
共通しているのは、「歩きやすい」ということなのですね。
大事なのは「軽く感じることのできる、足に合う重めの靴」ということなのです。
それもこれも、まず、足に合う靴の体感を持っている ことが大前提です。
本当に自分に合う靴を履いた経験のある方は、実は少ないです。